最後の大晦日|斎藤敏幸

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 大夕張で過ごした最後の大晦日を振り返ってみました。

 

 
 正確には、大晦日の前日の事なのですが。

 

  

 1972年(昭和47年)12月30日。

 

 

 この日、夕張東高第8期生(同年3月卒業)の同期会を、確か千歳町の婦人会館で開催しました。

 

 

 もう記憶は定かではありませんが、沢山の同期生が集まりました。

 

 

 女子・男子が入り混じって手作りのつまみを用意し、未成年でありながら酒を酌み交わし、盛り上がったのを覚えています。

 

 そして、2次会は岳富町の「てっちゃん寿司」の2階の座敷で行ないました。

 


 誰とどんな会話をしたのか、ほとんどもう忘れてしまいましたが、仲間と会えたことがとてもうれしくて仕方がなかった「心の躍動感」だけは、今も覚えています。

 


 あの頃は、もうじき閉山が迫っているとも知らず、受身的に「とき」と接していましたが、もし「あの日」をもう一度再現できるという奇蹟にめぐり合えるなら、一瞬の動きもしっかりと記憶しておきたいと思うことがあります。

 

 

 年が明けて新年になると、街の生活に帰る社会人の友人を、学生の仲間たちと

 

「また来年な」

 

とバス停で見送りました。

 

 

あの日

 

「来年も同期会で皆に会える」

 

と誰しも疑うことはありませんでした。

 

 

 
現実には、翌年閉山になり、二度と大夕張では再会を果たすことができませんでした。

 

 

 
最後の大晦日と新年のことを振り返ると、東高の同期会とバス停での再会の誓いを思い出します。

 

 

(2001年1月2日 記)


随想

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