どこに行っても忘れないもの【机】

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前回の、東高校20年誌『シューパロ』(昭和47年10月)からの、夕張東高定時制の生徒たちの書いた文章。

 

■坂道

■机

■線路

の中から 机 と題する文章。

 

 

 

 


 

 

【 机 】

どこに行っても忘れないもの

それは机です。

・・・

教室の、あの場所に、自分の机が

あります

・・・

本当はみんなの机なのに、

あたかも、自分だけの机のように。

・・・

小さな落書きも、大きなきずも、

知らぬ間に全部覚えてしまった机

この机を忘れない。

 

ふりかえると、

早く帰りたいから、やや雑に並べた

掃除当番の机

高さがちょうどよかったので、

知らぬ間に腰をかけた机

校内球技大会で運動場の得点板を

立て掛けた机

頭をかかえたり、うつぶせになって

寝たこともある机

修学旅行の計画を立てた時の・・・

先生の目をぬすんで手紙を書いた時の

・・・

休み時間に編み物をした時の・・・

・・・

今日のことを語り合う机

明日のことを語り合う机

今日の続きが明日であれば、

今日をなくして明日はないはず。

今日を生きること・・・そんなことを考えながら、

寝たいけど、頑張って座る机を

忘れない

 

 

働きながら学ぶ者みんなが、

大きな友情の花が咲き誇るように、

若々しい血潮で、真実の生きがいを、

たずねて行くために、

・・・

新しい机を見つけ出すために、

明日に生きる若者たちの机を

忘れない

 

 

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