大夕張の石
写真の石は、1968年(昭和43年)頃、父と鹿島小学校1年生だった弟が、官行の河原へ出かけて拾ってきたものだ。
シューパロ川の上流、林道の橋が見えるあたりまで入ったという。
父が亡くなった時、周囲の大人達から「あなたのお父さんは、多趣味な人だった」と聞かされた。
そのなかの一つに石の採集もあった。
大小様々な石、模様の入った石や、形の良い石を河原から採取してきた。
そして、紙やすりで削り、ナイロン製の古いストッキングで、表面を磨きあげていた。
しかし、この石はそのような形跡はなく、自然のままである。化石の一つに『木石(ぼくせき)』というのがあり、それに似ているようだが、違うような気がする。
弟にとって父との思い出の石なのだが、この石をなぜ気に入り、どのような目的で拾ってきたのかは、さっぱり覚えていないという。
測ってみると、石の幅は42㎝・高さは、20㎝あった。
奥行きも8㎝程もあり、厚い板のような形状をしている。
両手で抱えるほどの大きさである。
その上、重量が9.6kgもある。
身長150cmの小柄だった父が、これをどうやってシューパロ川上流の河原から富士見町3丁目の我が家にもってきたのか、謎である。
リヤカーでも引いていったのだろうか。
我が家に運ばれたこの石は、父の死後、伯父の家に渡った。
我が家が大夕張を出る際、母と伯父との間で何らかのやり取りがあったようだ。
夕張市内で長く教員をしていた伯父一家は、その後空知管内を異動したのち、鹿島小学校に赴任するという縁も得た。
そして、退職後恵庭に建てた家の玄関先も飾った。
2022年12月、このたび叔母の手を介して、約50年ぶりに弟の手元に戻ることになった。
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