大夕張の石

11602

 

 写真の石は、1968年(昭和43年)頃、父と鹿島小学校1年生だった弟が、官行の河原へ出かけて拾ってきたものだ。

 

 シューパロ川の上流、林道の橋が見えるあたりまで入ったという。

 

 父が亡くなった時、周囲の大人達から「あなたのお父さんは、多趣味な人だった」と聞かされた。

 

 そのなかの一つに石の採集もあった。

 

 大小様々な石、模様の入った石や、形の良い石を河原から採取してきた。

 そして、紙やすりで削り、ナイロン製の古いストッキングで、表面を磨きあげていた。

 

 しかし、この石はそのような形跡はなく、自然のままである。化石の一つに『木石(ぼくせき)』というのがあり、それに似ているようだが、違うような気がする。

   

 

 弟にとって父との思い出の石なのだが、この石をなぜ気に入り、どのような目的で拾ってきたのかは、さっぱり覚えていないという。

 

 

 測ってみると、石の幅は42㎝・高さは、20㎝あった。

 奥行きも8㎝程もあり、厚い板のような形状をしている。

 

 両手で抱えるほどの大きさである。

 その上、重量が9.6kgもある。

 

 身長150cmの小柄だった父が、これをどうやってシューパロ川上流の河原から富士見町3丁目の我が家にもってきたのか、謎である。

 リヤカーでも引いていったのだろうか。

 

 

 

 我が家に運ばれたこの石は、父の死後、伯父の家に渡った。

 

 我が家が大夕張を出る際、母と伯父との間で何らかのやり取りがあったようだ。

  

夕張市内で長く教員をしていた伯父一家は、その後空知管内を異動したのち、鹿島小学校に赴任するという縁も得た。

 

 そして、退職後恵庭に建てた家の玄関先も飾った。

 

  

 2022年12月、このたび叔母の手を介して、約50年ぶりに弟の手元に戻ることになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

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