北海道弁•••あめくさい・あめてる・あめる | 高橋正朝 #143
北海道といえども、春が過ぎれば暑くなる。
北海道には梅雨はないとされていたが、今はどうなのだろうか ••••••。
私が大夕張にいた当時、たしかに梅雨といえるような天候はなかったが、それでも、6月から7月にかけては、雨が降ることが多かった。
全国的には、食中毒の注意がなされる時季である。
大夕張でも、食中毒のできごとはあったろうが、私自身は聞いたことはなかった。
しかし、ご飯がくさる前、すなわち「 あめくさい 」状態になることは、我が家ではたま〜にあった。
ご飯が「 あめくさく 」なると、若干、酒の匂いが漂ってくるのは、皆さんご存知のとおり。
その「 あめくさい 」ご飯を母親が嗅ぎ、「 ん、大丈夫だ 」と言い、その「 あめくさい 」ご飯を、我々4人の子どもは食べていた。
滅多になかったことではあったが ••••••。
ネットにあった、この「 あめる 」という北海道弁の説明の抜粋が以下である。
あめるの意味と使い方〜死語になりそうな北海道の方言
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「 あめる 」の意味と使い方
北海道弁の「 あめる 」は、食べ物や飲み物に対してだけ使われます。
木や金属などが「 くさる 」、気分が「 くさる 」のような場合は、「 あめる 」を使うことはありません。
「 あめる 」の意味
① くさる・腐敗( ふはい )する
② いたむ
③ 饐える( すえる )
標準語の「 くさる・いたむ・饐える 」だと完全にくさってる状態ですが、北海道弁の「 あめる 」は、「 くさってるかも知れない( 可能性がある ) 」というニュアンスもふくんだ言葉です。
見た目で「 くさっている 」ような場合には「 あめる 」を使わない地方もありますが、北海道では見た目に「 くさっている 」場合でも「 あめる 」を使います。
正しい使い方
実際には「 くさっていない 」けど、なんとなく 「 あぶない 」雰囲気のときも、見た目やにおいで判別できるほど 「 くさっている 」 飲食物にたいしても、「 あめる 」を使います。
「わやだ!あめてるべや 」
=「 最悪だ!くさってるぞ 」
「 なんかヌルヌルしてない?あめてんじゃないの? 」
=「 なんかヌルヌルしてない?くさってる可能性があるんじゃないの?」
「 あめるから、保冷剤入れてきな 」
=「くさらないように、保冷剤入れていきなさい 」
「 なまらくせー。あめてるべ 」
=「 すごくくさい。くさってるな 」
「 そんなことしてあめないの?」
=「 そんなことして、くさるかも知れないんじゃないの? 」
「 まじで!あめてる? 」
=「 本当に!くさってる?」
「 あめる 」の語源
「あめる」は、江戸時代後期の文献「お国通辞(盛岡の方言を採録した方言辞典)」にも載っている、古くから使われている方言です。
語源には諸説ありますが、これといった定説はありません。
① あめ=飴。 る=助動詞
「 あめ 」は、食用の飴。
「 あめる 」は、くさった飲食物が、あめのように糸を
引く様子からできた言葉とする説です。
② あ=あ!。 める=滅る
「 あ 」は、驚きを表す語。 「 める 」は「 減る 」で
意味は、衰える・弱くなる。
「 あめる 」は、「 あ!衰えている 」で、食料が腐りかけ
ている様子または腐っているようすを表現してできた
言葉とする説です。
諸説あり
まとめ
「 あめる 」は、北海道でも聞くことが少なくなった北海道の方言です。
若い人は、ほとんど使わない北海道の方言で、死語になりそうな北海道弁です。
飲食物がくさる・いたむ・饐えるという意味で使われますが、くさっているかも知れない・くさってる可能性があるというニュアンスをふくんで使われます。
北海道には、開拓のために来道した地方の方言がたくさんあります。
北海道の方言、ひとつでも多く、後世にのこしていきたいですね。
(2023年5月6日 記)
昭和23年11月に明石町生まれ。鹿島東小学校から鹿島中学校に進み、夕張工業高校の1年の3学期に札幌に一家で転住。以後、仕事の関係で海外で長く生活。現在は、タイ、バンコクで暮らす。
札幌限定かもしれませんが80年代のヤング()の間では様々な場面で使われてましたね
・バイクのエンジンあめてかからねー(エンジンが壊れて始動出来ない)
・お前の頭あめてんじゃねーか?(頭おかしいんじゃねーか)
・〇〇の家あれあめてんな(ボロくて朽ち果てそう)
要するに不良言葉ですね。応用編とでもいいましょうか。書いていて思いましたが自分も使ってるのに下品極まりないですね
家庭で使われていた言葉
あめる・・・という言葉も記憶に残る方言なのだけれど、それは母方の祖父母(特に祖母)の言葉と結びついていることが多い。
祖父は栗沢、祖母が真谷地、母は沼ノ沢。
皆 夕張・空知の生れだった。
父だけが栃木生れ。
それでも、栃木の言葉として家庭では、「い」が「え」になることが話題になったりした。
たとえば、「えんぴつ」という言葉が、「いんぴつ」と聞こえるように発音していた。
その頃、父方の親戚は東京に住み、行き来もあまりなかった。
そんなこともあり方言の影響はだいぶ緩和されたのかも知れない。