夏休みのころの、道路工事現場とシューパロ川に行ったこと。|高橋正朝 #152

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 私が、鹿島東小学校の2年生ごろから、大夕張から南部につなぐ道路の工事が最盛期をむかえた。  

  

 勉強などしないヒマな少年たちは、その工事現場をちょくちょく見に行った。

 その少年たちの仲間には、もちろん、私も含まれている。 ただ、少女たちが、工事現場を見に行ったというのはなかったようだ。

    

 行くのは、ハッキリした場所はわからないが、明石町から、後にシューパロ湖駅ができるあたりまでである。 

   

 山肌を削るハッパの音が、時おり明石町まで轟いていた。 

   

 少年たち数人が、削岩機が響く現場に行き、所々に仮置きされた砕石の上に登ったりした。

 

 砕石のなかに、水晶のようなものがくっついた石や、キラキラした青緑の色が混じった鉱石のようなもの、部分的にピカピカ金色に光っているものがあったりした。 

 

 年端のいかない少年とはいえ、それは、金ではないことぐらい承知している。

 〘 白金の沢 〙の由来は皆知っているので、もしかして、という淡い期待がないわけではなかったが、その金色に光るものが、もし金だったら、工事をやっている大人がだまって放っておくわけがない。

   

 しかし、青緑や金色に光る石は、それはそれで少年たちを魅了したので、手頃な大きさの石は、それぞれ家に持ち帰った。 

  

〘 共栄橋 〙の真下のシューパロ川は、瀞とはいかないまでも、かなり深みがあったように思う。

   

 明石町番外地から、開拓方面に行こうとした目的は、シューパロ川岸辺にころがっている、化石が入っている石を見つけたかったからだ。

    

 例外としては、番外地から、シューパロ川岸辺に沿って開拓方面に向かい、岸辺がなくなるあたりで、魚釣りをしたことだった。

 

 エサは、家の流し台の排水口が、地面の渠に接していた場所に潜んでいたミミズ。 それと、シューパロ川岸辺に生えていた枯れたドンガイの中に潜んでいた虫だった。 

  

 シューパロ川での魚釣りをした場所には、銀色というか、灰色に黒い縞が入った、吸血バエがでてくる場所である。 

  

 釣る魚といっても、ウグイとカジカだけなのは、皆さんと同様だ。 ウグイは、まれだが、アカハラが釣れた。 普通のウグイよりは太めである。 このアカハラは、我々は、メスだと認識していたが、事実かどうかは調べたことはない。 

  

 これら、カジカやウグイは、家に持ち帰る者はおらず、焚き火をおこし、焼いて食べた。 

 塩や醤油などを持参して来たわけではなく、行き当たりばったりで、焼いたものをそのまま食べた。 焼き方も杜撰で、魚を木の枝でクシ刺しにするようなこともせず、焚き火にそのまま放り投げた。 

 マ、本気で魚釣りをしようとしたわけでなく、暇つぶしの遊びだった。 

  

 このような川での遊びは、7月の初旬から、8月の夏休みが終わるころまでだった。

   

 川遊びをしていて、聞こえるのは、シューパロ川の水の流れとセミのなき声、そして、時おり聞こえるハッパの音だけだ。

 

 見上げれば、蒼い空と白い雲、そして眩しい陽の光り。 

 

 今となっては、遠い遠い夢のなかでのできごとだ •••••。

 

 

(2023年7月8日 記)

 


 

(筆者略歴)   

 昭和23年11月に明石町生まれ。鹿島東小学校から鹿島中学校に進み、夕張工業高校の1年の3学期に札幌に一家で転住。以後、仕事の関係で海外で長く生活。現在は、タイ、バンコクで暮らす。

メール宛先:tkhsmstm@hotmail.co.jp


 

   

 

1件のコメント

  • 明石町から南部に向かう道路開通工事が行なわれていた頃の高橋さんの貴重な記憶。
     
    昭和30年代、明石町から白銀橋に向かう先の道路、ここまでくると道路に砕石が敷かれ、尖った角が痛かった。
    トラックが巻き上げる砂埃と乾いた空気。
    そして、頭の上に広がる青空が眩しく、緑に囲まれたふちの上を歩きながら見下ろすシューパロの流れ。
     
    これは千年町から先の明石町に向かう、明石町の街を過ぎた先の自分のイメージだ。
     

     

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