栄支所裏手富士見町

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 かつて大夕張鉄道の歴史を記した『山史』のホームページがあった。『山史』を編纂された菊池さんの息子さんである審人さんが作成されていたもので、貴重なサイトだったが今はない。

 その中に掲載されていた懐かしい一枚だ。たぶん閉山前後の写真だろう。

 

 大夕張炭山をゆっくりと発車した石炭列車は少しずつスピードを上げ、三菱購買会の栄町支所の裏手にさしかかる。

 

 目の前には富士見町と栄町を結ぶ踏切がみえる。

 このあたりで、列車が「来るぞ来るぞ」と胸をドキドキさせて眺めていたのだ。

  

 富士見町4丁目、このあたりで一度汽笛を発して、ゆるやかにカーブした後は、健保会館の裏手を周り大夕張駅に到着する。

 

 このあたり4丁目1番に住んでいた今井さんの「汽車の目覚まし」という話には、毎朝汽笛を目覚まし替わりにしていたことが書かれている。

   

 自分にとってこの写真が懐かしかったのは、この辺りは小学校入学前の「遊び場」の一つだったからだ。

 

 右手に見える道路は、炭山駅から正面奥に見えている鹿島小学校の校門まで線路に沿って続き、汽車が通りかかると走って追いかけた。

 汽車は今にも追いつけそうに思えるのに、どれだけ走っても追いつけない。分かっていても夢中で追いかけた。

 

 踏切の線路に耳をあて聞いていた走行音、いたずらをして機関士さんにおこられたこと、栄町支所に行った夜のお遣い、そんな些細で懐かしい子どもの頃の日常が、湧き出してくるそんな場所だ。

 

 

   

炭山駅から大夕張へ 右手は富士見町

 

このあたりに住んでいた今井さんのお話は次のページから

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