がんがんに入った正月のもち |内川准一

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「がんがん」

 

飯田さんの『正月の餅』の中に出てくる「がんがん」で、くっきりと思い出しました。

 

 

 


正月のもちの入れ物、蓋付き一斗缶、お菓子入れの「がんがん」

 
なつかしや、我が家でも確かに使っていました。

 
切り餅は、鏡餅やあんころもちとは別に、のした後、なるべくおなじ大きさになるようきれいに切りそろえた後、丁寧にこの缶の中に並べて入れていたものです。

 
まだやわらかいうちに、隙間無く並べることに凝ると、いざ取り出す段になって、閉口するのでした。

 
もち同士がくっついてしまっている上に、さらに、もちの水分が凍って、霜のようになってくっついているという念の入りようだった。

 
だから、閉口した。

一枚一枚がはがせないのだ。

それ以前に、そもそも『がんがん』から取り出せないのだ。


下の方にヨモギもちがあるのはわかっていても、取り出しようが無いので、仕方なく上の白いもちから順に食べていくのだった。

 
そうなることはわかっていながら、その翌年、同じへまを繰り返す。

 
学習能力に乏しい我が家だった。

 
どこのお宅も同じだったんですね。

何なんでしょうこの一律さは。

 


大夕張式保管法だったのかしらん?

(2002年12月26日 記)

 


思い出ばなし

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