がんがんに入った正月のもち |内川准一
2023-12-30
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「がんがん」
飯田さんの『正月の餅』の中に出てくる「がんがん」で、くっきりと思い出しました。
正月のもちの入れ物、蓋付き一斗缶、お菓子入れの「がんがん」
なつかしや、我が家でも確かに使っていました。
切り餅は、鏡餅やあんころもちとは別に、のした後、なるべくおなじ大きさになるようきれいに切りそろえた後、丁寧にこの缶の中に並べて入れていたものです。
まだやわらかいうちに、隙間無く並べることに凝ると、いざ取り出す段になって、閉口するのでした。
もち同士がくっついてしまっている上に、さらに、もちの水分が凍って、霜のようになってくっついているという念の入りようだった。
だから、閉口した。
一枚一枚がはがせないのだ。
それ以前に、そもそも『がんがん』から取り出せないのだ。
下の方にヨモギもちがあるのはわかっていても、取り出しようが無いので、仕方なく上の白いもちから順に食べていくのだった。
そうなることはわかっていながら、その翌年、同じへまを繰り返す。
学習能力に乏しい我が家だった。
どこのお宅も同じだったんですね。
何なんでしょうこの一律さは。
大夕張式保管法だったのかしらん?
(2002年12月26日 記)