緑町1丁目の石壁 2002年

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緑町は駅前の詰所を1丁目1番地とすると、そこから東は弥生町、南は、宝沢の方に伸びていた。

 

駅前から、道路は、埋め立てられた宝沢を底にゆるやか1ちょうな窪地になって宝町方面へ向かう。

その道路沿いに商店街が並び、戦後は、岳富町と呼ばれていた。

 

 

緑町の住宅地は、緩やかに傾斜する岳富町の商店街の裏を平坦のまま、宝沢の加川写真館の方にまで伸びていた。その先は崖になっていたようだ。

 

『ようだ』というのは、当時、緑町1丁目16番の方までいったことがなく、航空写真で当時の街並みを想起することしかできない。

 

けれど、この石壁はわずかに記憶にあった。

バス通りからも一部が見えていたと覚えていた。

 

昭和43年頃では、岳富町商店街の大夕張駅に一番近い、『下川商店』の裏手にあったはずである。

 

 

それまで、大夕張を訪れ、夏にもこの場所を目にしたはずだが、あまり気に留めていなかった。

 

 

冬、白い雪の中から見える石壁に、何か記憶に隠されていたものが露わになったような気がして、足がとまりシャッターを切ったのだった。

 

 

2002年(平成14年)冬 1月 この石壁の上に緑町1丁目の住宅地が建ち並んだ。

 

 

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