大夕張つれづれ■鹿島東小の奇術と渡辺淳一のこと■|高橋正朝 #38

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 私が鹿島東小学校2年生の今頃、学校での楽しい思い出がある。

 ちょっと肌寒かった日であったが、その日だけだったのか、それとも、もうその時期だったのか、よく覚えていないが、雪虫は出ていなかったので、11月にはなっていなかったと思う。 

 全校生徒が体育館に集められ、壇に向かってクラスごと縦列に並べられ、床に腰を下ろした。

 始まったのが奇術だった。

 多分、夕張市内の小学校を巡回していたのだろう。もしかして、中学校にも巡回していたのかもしれない。

 実際のプロの奇術は初めて見た。その後、現在に至るまで手品の実演は数回見てはいるが、奇術と称するある程度の中・上級者的なトリックの実演は見ていない。

 印象に残っているのは2つある。

 それまで被っていたシルクハットを手に取ったら、中からハトが出てきて飛んだこと。

 もう1つは、3年生か4年生ぐらいの男子生徒を壇上に上げ、イスに座らせ、腕を出させ、奇術師がその腕を振ったら、パチンコ玉のようなものが、ハデな音を立てて、無尽蔵のようにジャラジャラ出てきた。

 おそらくその時間は、せいぜい2~3分ぐらいのものだったろうと思う。見ていたほうはビックリし、世の中を知らない無垢な子供であるから、長時間パチンコ玉が出てきたような錯覚をしたのだろう。

 子供ではあっても、手品や奇術はタネもシカケもあるのは知ってるわけだが、しかし、そのトリックはどのようなものか知らないので、子供にとっては大変面白かった。

 子供でなくても、老人になった現在の私が、奇術の実演を見ても面白いだろうと思う。その頃の娯楽としては、映画が頂点だったが、実演ものの娯楽としては、私にとっては初めて見たものだった。

 話は変わって、渡辺淳一の死亡のことがありましたが、以前、彼のエッセイの中に、大夕張がでてきたのを知っています。

 週刊新潮に連載されていた「 あとの祭り 」という中で記述があったように思うけど、もしかして、週刊新潮に連載する数か月前まで、週刊現代にエッセイの連載があったので、その中で読んだのかもしれない。

 彼が大夕張にいたのは、 2か月ぐらいの短期間だったようです。

 渡辺淳一の記念館が、札幌の中島公園そばにありますが、私が3年ぐらい前に札幌に行ったとき、そこに行けば彼の事績の年表のようなものに、大夕張のことがもっと詳しく出ているかもしれないの思ったのですが、残念なことに、大夕張のことは一言もなかった。


高橋 正朝 ( たかはし まさとも ) 2014/10/06 _ 12:20:43

昭和23年11月に明石町生まれ。鹿島東小学校から鹿島中学校に進み、夕張工業高校の1年の3学期に札幌に一家で転住。


大夕張つれづれ

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