大夕張つれづれ■ご飯の食べ方■高橋正朝 #50

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 私が幼稚園に行く前のころだが、家の中は暗く、外に、わりと澄んだ光を感じ、それほど暑くもなかったのを覚えているので、多分、5月下旬か6月初旬ぐらいだったろうか・・・・・・。

 時々我が家にくるオジさんがいた。名前も顔も知らないが、明石町番外地の人ではなかった。このオジさんは鹿児島県の出身、だということだけは今でも覚えている。

 このオジさんが教えてくれたご飯の食べ方に、こういうのがあった。

 ご飯に黒砂糖をかけて食べるのである。オハギや和菓子で、もち米にアンコで包んだりするものがあるから、マ、黒砂糖をご飯にかけて食するのもそれほど奇異なことでもあるまい、と両親は思ったようである。

 当時、私が幼児のころは、大夕張では黒砂糖をお菓子のように食べる人が少なからずいた。そういうこともあってか、両親は早速試したのだろう。結果として、ご飯に黒砂糖をかけて食したのは、それが最初で最後であった。

 もしかして、お茶漬けにしたものだったのかもしれないが、甘党の私でもおいしいとは思わなかった。

 大人と子供とでは味覚が違うが、私が大人になってからこのことを思い出しても、試してみようとは思わなかった。

 私が鹿島東小学校3年生のとき、母親が千年町の誰かから聞いたトマトの食べ方が2つあった。トマトに砂糖をつけて食するのである。

 これは酸味と甘味が混じって旨く感じられた。5~6回ぐらいは食べたような気がする。しかし、それ以上継続はしなかった。

 もう1つの食べ方は味噌汁の具にする食べ方である。これも5回ぐらいで終わってしまった。

 トマトを味噌汁の具にするのは、東京に来てから何度もお目にかかったので、わりとそいう料理の仕方をするのも不思議ではなさそうである。私の味覚としては、可もなく不可もなし、といったところか・・・・・・。

 納豆は私の好物だが、大夕張では味噌汁に入れ、すなわち、納豆汁を食する人は殆どいなかったのではなかろうか。これは、私が東京にきてから初めて食した。

 旨い!!!!。ただし、納豆を味噌汁に入れた途端、靴下を1か月も履き続けたような強烈な臭気が漂う。

 私が20歳ぐらいに読んだ本で、誰が書いたものだったか忘れたが、森鴎外は甘味も好きだったようである。

 彼が食するもので、こういうケッタイなものがあったようだ。饅頭をご飯の上に置き、お茶漬けにして食べることがあったらしい。

 この饅頭は、具を何もいれない饅頭とか、肉マンとか野菜だけを入れた饅頭ではないと思う。小豆アンを入れた饅頭だと思う。これはぜひ試してみたいと思いつつ、いまだに実行していない。


高橋 正朝 ( たかはし まさとも ) 2015/11/01 _ 10:27:15

昭和23年11月に明石町生まれ。鹿島東小学校から鹿島中学校に進み、夕張工業高校の1年の3学期に札幌に一家で転住


大夕張つれづれ

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