荒川商店の思い出 | 小野美音子
2021-05-08
2022-05-04
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人懐っこい丸顔のおばさんは、いつも笑顔で店番をしていました。
マンボ、くじ、おもちゃの指輪、ジュース、駄菓子など子供には楽しいお店でした。
母と寄ると、くじをタダで引かせてくれ、それが最近不思議に、思い出され、母に聞くと、千年町あたりでおばさんが友人と会う時、仕事を終え、急ぎ支度で出て来て、途中でお財布を忘れたのに気づき、うちに借りに来ることがたまにあり、それで私にサービスしてくれたのかもね、と懐かしそうに話し出しました。
生まれて初めて赤い缶コーラを飲んだのも、荒川商店の店先でした。
不思議な味だったなー。
飲兵衛さんのおじさんは、たまに酔っ払って寿司折を持ってにぎやかにやってきました。
寝入りばな「あの、だみ声はおじさんかな?」と布団の中で思っていると、いきなりふすまを開け起こしにきて、
「さあ、寿司あるから、起きて食べなー!」
と、まるでどたばた喜劇のようでした。
後にも先にも、お寿司を食べるのに、あんなにハプニングだらけで食べたことは無く、これも大夕張ならではの懐かしい思い出です。
てっかちゃん(てるかずさん)というおばさん似の息子さんと一緒に撮った写真もあり、てっかちゃんがスコップを持ってカメラに向かっておどけ、私が面白そうに見ている写真だったような・・。
あー、みんな懐かしい・・・
(2002年1月19日 記)