春日町詰所前 山神祭
お祭りの日、春日町詰所前の広場に大人達に交じって集まる子供たち。
前にいる5人の子どもたちの記念撮影の様子をいれて、春日町詰所を撮影したものだと思われる。
後ろでは、慰労の一杯だろうか、女性が、御神酒らしき一升瓶を手に、ふるまい酒を勧めているような様子もみえる。
賑やかな6月の炭山祭り。14・15・16の三日間の開催だった。
お祭りの時期、協和会館での上映予定だろうか、詰所前の掲示板に映画ポスターが貼ってある。
ここに写る写真は比較的鮮明で、なんという映画なのか、判別が可能だ。
四本の映画がわかる。この映画が公開された日時と、主演を書き留めておきたい。
当時、大夕張の協和会館で上映されていたものだろう。
左上のポスターから、
『クレージーの殴り込み清水港』(東宝配給 昭和45年1月15日公開)
監督:坪島 孝
主演:クレージーキャッツ
その右隣、
『不良番長 王手飛車』(東映配給 昭和45年1月9日公開)
監督:内藤 誠
主演:梅宮辰夫
右端の上のポスターは、
『赤 毛』(東宝配給 昭和44年10月10日公開)
監督:岡本喜八
主演:三船敏郎
その下、
『新網走番外地 さいはての流れ者』(東映配給 昭和44年12月27日公開)
監督:佐伯 清
主演:高倉 健
よく見ると、掲示板の左下の位置にも、『赤毛』のポスターがもう一枚貼られている。掲示板の前に立つ男性と横切る子どもの間に、岩下志麻と三船敏郎の横顔がわずかに見える。
上の映画の公開年月日から、この写真は、昭和45年6月だと思われる。
封切りから半年あまり、大夕張での公開まで意外に早かったのかもしれない。
当時は、二本立てで公開されていた。
ここでは、写真左の『クレイジーの殴り込み清水港』と『赤毛』、右の『赤毛』『新網走番外地』の組み合わせだったのかもしれない。
『不良番長 王手飛車』は、なんだったのだろう。写真では見えないが、『不良』と、『クレイジー』という組み合わせもいい感じ。
高倉健は、昭和46年(1971年)7月26日から、『新網走番外地 嵐呼ぶ知床岬』のロケで、三菱大夕張鉄道で格闘シーンを撮影した。大夕張駅では100人以上の人が集まって盛況だったらしい。この頃、毎年のように北海道でロケをしていた。
写真には、内容は読めないが、『16日』と読める掲示もある。『赤毛』と『番外地』は、二本立てで、6月16日の公開という意味ならば、14・15・16日と、お祭り期間中の上映作品が、これらの映画の組み合わせだったのかもしれない。
当時、お祭りやお盆などの時期、子どもにとっても面白い映画がやってきた。
東宝『ゴジラ』、大映『ガメラ』、日活『ガッパ』、怪獣映画のついでに二本立てで、併映されていた。
『クレイジーの◯◯』や『森繁の駅前◯◯』『加山雄三の◯◯』といったシリーズものを、その『ついでに』見せられて、ずっと脳裏にはこびりついていた。若い頃深夜テレビで放送されると懐かしさからよく見ていたものだ。
この四つのポスターのラインナップは、大人向けで、みることはなかったような気がする。せいぜい、『クレージーキャツ』くらいまでか・・・。あとは、ちょっと硬派だもんなあ・・。
クレージーキャッツをはじめ、「番外地」の高倉健や、セカイのミフネも、当時の大人の流行であって、自分が思春期以降は、「前の世代のはやり」みたいな気がしていたものである。
今でこそ、これらの映画は、街の風景を含めて昭和の雰囲気が味わえるので、見ていて楽しいし、見る機会も多い。
話がすっかり映画の方に脱線してしまったが、まあ、お祭り気分ということで・・・。
最後に、予告編を一本。
あの協和会館の固い板の座席に座った気分で、ご覧ください。
開幕のブザーがなり、見上げると、天井のオレンジ色のライトが次第に消えて行く・・・・。
行列の一番奥で、黒の半纏を着てじっとこちらを見ているのは、父の友人の千葉さんです。よくうちにも飲みに来ていました。