やまのむこうは? | 丸山直記

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 私は、昭和23年6月10日に緑町で生まれました。

 
 その後、鹿島小学校の裏側の住宅に移り、鹿島小学校、鹿島中学校、夕張東高校を経て、卒業するまで18年間住んでおり、私の精神形成は、純粋に大夕張でなされました。

 

 子供の頃は、頭の中では世界は広いのですが、実感は全く無く、周りの山々の向こうには、もっと美しい街が見えるのだと、信じていました。

 夕暮れに町が蒼く染め上がり、夕張岳のみが夕焼けで赤く輝いていると、一層そのことを信じたものでした。

   

 小学生の冬のある日、意を決して裏山にスキーで登り、期待に胸を膨らませて、頂上について向こうを
眺めると、

「やっぱり山か!」

と落胆したことを覚えています。

 

 住む予定など全く無かった東京にいますと、がっかりさせられた山々がとても懐かしく感じられます。

(1999年2月23日 記)


随想

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