大夕張のうさぎの思い出 |小野美音子

11939

 ある日、兄達が野うさぎを捕りに行く、ということになりました。

 雪原に跳ね回る可愛い野兎を想い、魅力的なこの遊びにワクワクしましたが、母が私だけ小さいからとストップをかけました。

 
 その時は、残念でしょうがなく、涙がこぼれました。

 
 結局、用心深い兎は姿をみせず、兄達は手ぶらで帰って来ましたが、足跡か糞でもあったのか、野兎のいるのは確信している様子でした。

 

 当時、鹿島小緑ケ丘側の敷地や物置の中には、なぜか業者の鉄屑などの危険物が山積みでしたが、萱場武夫校長先生が着任なさってから一掃され、安全になりました。

 
 そこに新しい兎小屋が建ち、父が連れていってくれました。

 
 父は、習性や抱き方などを静かに説明した後、兎を抱かせてくれました。

 
 白く美しい毛に、赤い眼をしたそれはそれは可愛い飼い兎でした。

 
 夢にまでみた兎なのに私は緊張し、また兎の方もおびえてふるえていたのを、懐しく思い出します。

 

 泉町の奥、緑ケ丘を下った宝の沢では小動物の跡を沢山見ました。

 
 ♪うさぎ追いし かの山をいくらでも体験できるチャンスがあった、


(1999年5月6日 記)


思い出ばなし

1件のコメント

  • 晴れた朝、新雪がかぶった雪原に、点々とウサギの足跡がついていた。
    住宅のそばから、裏の山に続くうさぎの足跡。
    その足跡をたどって行けば、きっとウサギの住処に行けると信じていた。
    何度も挑戦してみた。
    雪が積った土手下の土の見えているところなど、子どもなりの感で、ここかと思うところはあっても確証は得られなかった。それ以上追求することもしなかった。
    もっとも、その前にたどるうちに、飽きてしまって結局途中で「や~めた」ことがほとんどだった。

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