大夕張の冬の遊び | 久々湊真一
もうすぐ冬のオリンピックが始まります。大夕張っ子は、何やらワクワクしますね(笑)。
前祝に「大夕張の冬の遊び」を思い出して書いてみましょう。
<ジャンプ>
大夕張の子供は、小学校入学前後の年齢から、手作り台によるジャンプで遊んだ。
ジャンプ台を作る手順は、次のようにして行う。
(1)ジャンプをする場所を決める
(身近にある手ごろな斜面利用、町内でだいたい固定していた)。
(2)ジャンプをするもの全員が、スキーを履いて斜面と直角に雪を踏み固める。
(3)坂の2/3あたりの位置に台を作る
(回りの雪を小山になる程かき集める)。
いつものメンバーの中には、ジャンプ台作りの名人がいて、スコップで直角平行に、溝付きの美しい台を作っていた。
たまにジャンプ台の上で転ぶものがいて、美しい台を台無しにしていたような(笑)。
誰が遠くまで転ばずに跳べるかを競ったが、最長不倒点には、木の枝を挿して目印とした。
私は平均以下で、あまり得意ではなかったが、上手な者は、他の町内の台へ武者修業(?)に行った。
上級者は、こういう修業を経て大夕張スキー場公式ジャンプ台への登場となる。
<雪の城>
内地ではカマクラと呼んでいるが、大夕張の子供達は城と呼んでいたように思う。
雪がある高さ以上に降り積もったら、雪をくりぬいて城を作った。
一般的な城の構造は、だいたい次のようなものであったと記憶する。
(1)入り口から入ってすぐの所に、子供が立って5~6人入れる大きさの大広間がある。
ここは、仲間との遊びの打合せや、お気に入り?の女の子と餅や蜜柑を食べたり等の、ちょっとした社交サロン(笑)であった。
(2)大広間の脇には、目立たぬよう小さな入り口がある。
これはトンネル状になっていて、這うように進む。分かれ道があったりして、迷路のようになっていた。
(3)正しく行けた場合は、目出度く「秘密の部屋」に到着出来るという次第。
迷路や秘密の部屋は、競い合って工夫を凝らして作り、自慢しあった。
女の子は大広間には入れたが、秘密の部屋には、つれていかなかったような(笑)。
夜中に水をかけて氷らし、城を頑丈にした思い出もある。
(2002年1月30日 記)