記憶の中の大夕張 その1|乗田功一

11931

過去の記憶からいくつか。

●鹿島小学校の運動会

紅白に分かれて勝敗を競う。

グラウンドの校舎側と、富士見町側とに分かれ、応援歌の応酬。

 
この応援歌、歌詞が難しく、全く意味不明。

最後の「フレー赤 フレー赤 フレーフレー赤~!」

 
の「赤」の部分が、白組だと「白」になる。

紅白同時に歌い始めるが、数十メートルの距離があるためうまく揃わず、どちらかが先に歌い終え、双方大笑い。

 

●お祭り

 御輿をかつげるのは、威勢がよく元気のいい子供だけ。

 自分も本当はかつぎたかったが、詰め所のおじさんに「賽銭箱」を命ぜられる。

 鼻におしろいを塗られ、相棒と二人町内を練り歩くが、

「元気がない!」

と、取り上げられる。

 私は、まったくおとなしい子供。


 大夕張神社の急な坂道。

 夜になるとこの道沿いに、赤や青や緑の電球が飾られ、街中からもきれいな光が見える。

 山の中腹では、大きなスリーダイヤ(三菱)形のしかけ花火。

 
 小学校近くの踏切あたりに連なる夜店。

 わたあめ、スマートボール、ヨーヨー釣り・・・。

 

●代々木町の長屋

 トイレは外。

 細長い長屋の両脇に、三角屋根の共同便所。

 それでも個室は各世帯別。

 水道も外。

 長屋と長屋の間に共同水道。

 主婦は井戸端会議。

 誰が最初に始めたのか、

 ビニールホースで我が家へ専用水道を確保。

 みんなが同じ事するからたった一つの蛇口がタコ足状態。

 水の出もチョロチョロ。

 

●シューパロ湖

 整備された美しい公園。

 オリに中になぜか犬と猿(だったかな?)が同居している。

 鎖に繋がれた小熊が1頭。

 「湖畔亭」のカレーライス。

 湖面には希有な赤いトラス鉄橋(三弦橋)。

 道路開通記念碑。

 大きな樽形のバンガロー。

 絵に描いたような美しい風景・・・。

 

●カトリック教会

 教会前の小さな庭にある純白のイエス・キリスト像。

 聖堂内の清潔な匂い。

 教会学級の道徳の時間、

「神様はいると思いますか?」

の問いに、

「ワカリマセン」

としか言えなかった自分。

 
大夕張ではとても珍しかった西洋人の神父様。

 

(1997年9月7日 記)


思い出ばなし

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