記憶の中の大夕張 その1|乗田功一
過去の記憶からいくつか。
●鹿島小学校の運動会
紅白に分かれて勝敗を競う。
グラウンドの校舎側と、富士見町側とに分かれ、応援歌の応酬。
この応援歌、歌詞が難しく、全く意味不明。
最後の「フレー赤 フレー赤 フレーフレー赤~!」
の「赤」の部分が、白組だと「白」になる。
紅白同時に歌い始めるが、数十メートルの距離があるためうまく揃わず、どちらかが先に歌い終え、双方大笑い。
●お祭り
御輿をかつげるのは、威勢がよく元気のいい子供だけ。
自分も本当はかつぎたかったが、詰め所のおじさんに「賽銭箱」を命ぜられる。
鼻におしろいを塗られ、相棒と二人町内を練り歩くが、
「元気がない!」
と、取り上げられる。
私は、まったくおとなしい子供。
大夕張神社の急な坂道。
夜になるとこの道沿いに、赤や青や緑の電球が飾られ、街中からもきれいな光が見える。
山の中腹では、大きなスリーダイヤ(三菱)形のしかけ花火。
小学校近くの踏切あたりに連なる夜店。
わたあめ、スマートボール、ヨーヨー釣り・・・。
●代々木町の長屋
トイレは外。
細長い長屋の両脇に、三角屋根の共同便所。
それでも個室は各世帯別。
水道も外。
長屋と長屋の間に共同水道。
主婦は井戸端会議。
誰が最初に始めたのか、
ビニールホースで我が家へ専用水道を確保。
みんなが同じ事するからたった一つの蛇口がタコ足状態。
水の出もチョロチョロ。
●シューパロ湖
整備された美しい公園。
オリに中になぜか犬と猿(だったかな?)が同居している。
鎖に繋がれた小熊が1頭。
「湖畔亭」のカレーライス。
湖面には希有な赤いトラス鉄橋(三弦橋)。
道路開通記念碑。
大きな樽形のバンガロー。
絵に描いたような美しい風景・・・。
●カトリック教会
教会前の小さな庭にある純白のイエス・キリスト像。
聖堂内の清潔な匂い。
教会学級の道徳の時間、
「神様はいると思いますか?」
の問いに、
「ワカリマセン」
としか言えなかった自分。
大夕張ではとても珍しかった西洋人の神父様。
(1997年9月7日 記)