朝の夕張岳   ~祖父のスケッチ帖から~

19066

昭和14年11月23日 朝 とのメモ。

日付が出てくると、つい曜日まで知りたくなるのは性分である。

 

昭和14年(1939年)のスケッチに出かけたこの日は、木曜日。

今なら『勤労感謝の日』で祝日だが、当時は・・・。

 

昔の人なら覚えているかもしれない、「新嘗祭」(にいなめさい)(しんじょうさい)。

今ではあまりきかなくなったが、日本書紀にも記述があるという古来の宮中行事で、その年の収穫に感謝して新穀を神様にお供えし、翌年の豊穣を願う行事として、明治から戦後の『勤労感謝の日』まで続く、祭日(休日)であった。

 

雪が山肌に残る晩秋。

この日の朝、青空の下に夕張岳が綺麗な姿を見せていたにちがいない。

手前の強く鉛筆で塗られた木々も見事な紅葉に包まれ金色に輝いていたことだろう。

 

しかし秋の天気は変わりやすい。

傘雲が夕張岳の頂にかかり、これからの天気を暗示する。

 

昭和14年11月23日 朝の夕張岳

 

前回11月19日に描かれた夕張岳は、鹿島小学校の校舎の屋根越しに描いた夕張岳のようだ。

小学校横の土手からだったのだろう。

今回の絵は、手前の山の稜線が下がり、祖父は、そこより高い位置から描いている。

 

11月19日の夕張岳↓

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