名前を知らない草木の実2種類|高橋正朝 #120
私が、鹿島東小学校時代に食した、名前を知らない草木の実が2種類あった。 その2種類とも、中学生になってからは食べていない。
理由は、小学生時代のように、下校時に、道草を食って野山を歩かなくなったのと、学校が休みのときも、野原やシューパロ川の岸辺や沢などを徘徊しなくなったからである。
シューパロ川が堰き止められ、シューパロ湖になって川の水位が上昇したからではなく、読書をするようになって、それに時間を割くようになったからである。 また、絵を描くことにも時間を割くので、自然と、外での活動時間が少なくなった。
小学生時代に食したその1つは、色の白い実だった。その白さは、コブシの花びらのような美しい白さだった。
実の大きさは、5〜10 mm ぐらいで、やや変形した丸みである。
初夏にできる実だった。 草の色はツヤツヤした深緑である。 実の白い色と深緑の葉の色の対比は印象的だった。
その草は、虫に食われたり、夏枯れしたのは見たことがなかった。 それは、大して背が伸びず、伸びてもせいぜい10 cm ぐらいの高さにしかならなかったと思う。
その草と実が生育する場所は、陽が燦々と照りつける場所ではなかった。
水分をあまり必要としない種類のコケが生えるような場所、つまり、直射日光を避けるような、ヤブのような場所で見つけることができた。
とは言っても、それほど珍しくない草だった。
ただ、その草の実は、あまり見かけることはなかった。 それで、その草は、イチョウのような雄性雌性があり、雌株にしか、白い実ができないのではなかろうかと勝手な想像をした。
この白い実は、水分が多くて甘い。 その甘さは控えめで、ひとことで言えば、上品な味である。
しかし、残念なことに、この実を食したのは、先に述べたように、鹿島東小学校時代の3年間ぐらいで、合計10個ぐらいのものだった。
いずれも単独行動だったので、他の遊び仲間は、この実のことは知っていない。
もう1種は、複数の遊び仲間が言っていた、〘 ナシ 〙である。 複数の遊び仲間が、それぞれ別に、〘 ナシ 〙と言っていたのに対し、私は疑問を持ったが、反論する知識はゼロだったので、〘 ナシ 〙という呼称をそのまま記憶した。
この実も小さい。
寸法は5mm ぐらいの俵形で、濃い橙色もしくはリンゴ色というか、紅色である。
これは、初秋にできる実だった。 ちょうど、紅葉のプロペラ状の実が風に舞うころにできる実で、先に言及した白い実と違い、大夕張では、普通に見かける木と実だった。
その実は、かじると酸味があった。 その酸味は個体差があり、まァまァの酸味と、ボケたリンゴの酸味のようなようなものがあった。
以上、この2種類は、私自身、動植物に関心がないせいか、呼称すら未だに知らない。
ネットで、夕張の植物についての記載をチェックしてみたが、目的の植物は出てこない。
〘 ナシ 〙と呼んでいた実を食べていた遊び仲間は結構いたので、毒性はなかったろうと思うが、『続・大夕張つれづれ # 116〘 オンコの実 〙』で言及したように、食べてから60年以上過ぎてからネットでチェックするまで、〘 オンコの実 〙に毒性があるのを知らなかったわけだから、あんまり安心もできない。
特に、白い実のことが気にかかる。
とは言っても、食べた本人は今だにピンピンしているし、たとえ毒性があったとしても、当時のことを今さらどうのこうのと言っても、正体不明のモノを食べた自分のアホさ加減を暴露してしまったことになるだけだが ••••••。
首題の2種類の実のことを知っている方は、ゼヒ教えてください。
(2022年11月26日 記)
昭和23年11月に明石町生まれ。鹿島東小学校から鹿島中学校に進み、夕張工業高校の1年の3学期に札幌に一家で転住。以後、仕事の関係で海外で長く生活。現在は、タイ、バンコクで暮らす。
野山で遊んだ小学生までの時代。
野草や木の実の名前ほとんど知らずに過ごしていた。
自分の中の世界だった。
リンゴに似たようなオレンジ色の小さな実。
茶色い固い皮に包まれた白い実(汁?)・・・。
あれはなんだったんだろうという、ぼんやりとした印象が浮かぶ。
なんでも口に入れていたことだけは間違いない。
今は近所でも見かけるクルミの木。
大夕張でどういう訳かなかなか見つけることができなかった。
自分にとって『宝の木』だった。