雪だるま
私の住む札幌では第74回の『さっぽろゆきまつり』が始まった。
2月4日から11日までの一週間、大通り、すすきの、つどーむの3会場で行なわれる。
今年は4年ぶりの全面開催ということで、国内外からの観光客を大勢集めているらしい。
今は3会場に増えた雪祭りも、最初、大通り会場だけで実施されていた。
それまでの大通り会場に真駒内会場が加わったのは、1965年(昭和40年)のこと。
こちらはファミリー層中心に、すべり台などの遊ぶことのできる遊具的な雪像が多かった。
2005年を最後に閉鎖となった真駒内会場だが、雪祭りといえば、自分は大通り会場と真駒内会場の印象が強い。
さて、こちらの写真は、真駒内会場が加わり『さっぽろゆきまつり』が発展期にあったその頃、夕張のそのまた山の中の大夕張。
『雪だるま』をつくっていた。
誰もイメージする、大きな雪玉の上に、小さな雪玉がのっかっている、あの『雪だるま』だ。
『雪だるま』の作り方は、絵本や漫画の中でよく知っていた。
絵本や漫画の世界では、雪の上を転がしていくと、大きな雪玉があっという間にできた。簡単にできる、そう思っていた。
ところが、実際にはなかなか難しかった。
基本、大夕張の雪はサラサラ雪で、雪玉にならない。気温や雪の状態などある条件がそろわなければうまくいかなかった。
大きな雪像をつくるには、スコップで雪の山をつくってだいたいの形をとってから、バケツに水を汲んで、そこに雪を浸しながら、雪を付けたり削ったりして形をととのえていくのだが、この頃はそんな術を知る由もなかった。
この時も、『雪だるま』をつくろうと勇んで外にとびだしたものの、結局、一つ目の雪玉さえ大きくならず、そこそこの大きさで削りに入った。
『雪だるま』は、途中で変更になり、外に落ちている石炭を目にはめ込み、『父の顔』ができあがった。
自分では納得いかなかったが、父がとても喜んでくれた。
嬉しいけれど、なんだか心の中で申し訳ないような複雑な気持ちになったことを覚えている。