わたしたちのゆうばり(昭和38年・昭和44年)

22072

【書 名】

 郷土読本 わたしたちのゆうばり

【発 行】

 夕張市教育研究所

【本の紹介】

 『ちょうどその時,古い形をしたきゃくしゃが入ってきました。(中略)「大夕張てつ道だ。鹿島へ行く汽車だよ。」』で始まる大夕張地区の紹介。

 小学校の社会科の資料集として使われていました。左写真の表紙は昭和38年版、下の表紙は昭和44年発行のものです。私は左の写真で学習した覚えが・・・・右は、5年違いの弟が実際に使用したものです。

 44年版には、大夕張のメタノール工場を夕張市の工場の一つとして取り上げ、児童の発表という形で掲載されています。以下に内容を紹介します。

 【メタノール工場 二郎君のはっぴょう】 

 二郎君は、鹿島のメタノール工場ではたらいているおじさんに、工場を見学させてもらった時のことを発表しました。

 工場見学に行く途中、おじさんがぼくに、「おじさんの工場は、坑内のガスを使って、メタノールを作る工場だよ。」と教えてくれました。

 ぼくは、坑内ガスという言葉を聞いたときに、すぐに、ガス爆発のことを思い出し、ガスでも役にたつのかなあと、不思議に思いました。

 「メタノールはホルマリンというくすりや、テトロンやビニールを作る大切な原料なんだ。だから北海道の工場だけではなく、遠く、東京や名古屋の工場に送られるのだよ。」とおじさんは説明してくれました。メタノール工場に着くまでは、なかで大勢の人が働いているのだろうと、思っていましたが、工場の中には、大きなモーターの音が響いているだけで、ほとんど働いている人がいなかったので、驚いてしまいました。

 工場の所々にメーターがいくつもならんでいるところがあり、2・3人のおじさんたちは、3交代で一日中、メーターを見張っているということです。

 外へ出てみると、工場は川の近くにありました。工場で使う水は、この川からくみ上げているそうです。「二郎君、坑内ガスからメタノールをつくっている工場は、世界でもめずらしいのだよ。」と言われ、ふり向くと、銀色に塗った工場の建物が、太陽の光にきらきらと、輝いていました。

(「わたしたちのゆうばり」(夕張教育研究所S44年版))

【編 集】

教育研究所長 相沢 守
教育研究所員 五十嵐 豊 千葉 幸蔵
研究員 山賀 宏一 吉田 竜雄
 吉岡 正一 宗像 和夫
 野村 芳郎 北見 喜久雄
編集協力委員 大槻 彰一 金子  正
 中山 正一 和田 武郎
第一次改訂版執筆編集
教育研究所員 泉  勝統
研 究 員 山賀 宏一
第二次改訂版執筆編集
兼任所員 山賀 宏一
研究員 井形 節雄
 江川  博

わたしたちの夕張
昭和34年3月1日印刷
昭和34年3月31日発行
昭和35年1月1日増補
昭和36年3月31日増補
昭和37年5月1日増補
昭和38年5月1日増補
昭和39年5月1日増補改訂
昭和40年5月1日増補
昭和41年4月1日増補
昭和43年4月1日増補改訂
昭和44年4月1日増補
編集兼発行所
中西写真製版印刷株式会社

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