緑の中の大夕張駅 | 野口美代子

11972


 懐かしの写真の中に、大夕張駅を見て本当に帰って来たと思いました。

 
 停車場(昔私が子供の頃、年寄達は駅のことをこうとも呼んでいた気がします)は人を見送って、見送られ、又会っての繰り返しの場でした。

 大夕張駅は、ただただ別れの駅になってしまいました。

 
 札幌へのバスが通るようになって、バス停が道路を挟んで、駅の向い側にありました。

 その横にはアカシアの木立が有ったように記憶しています。

 夏には、涼やかな白い花を添えていました。

 
 大夕張駅を見るのは28年振りです。

 

 小さな駅に 降り立つと 迎えてくれたパパとママ ・・・・

 

 いえ とうちゃんとかあちゃん

 これは、「思いでのグリーングラス」の一節でした。

 
 このバアーチャルふるさとで、あちこちで再会の喜が有って嬉しいですね。

 
 大夕張は山菜が豊富でした。

 ざっと思い出したもので

 
 うど、たらの芽、せり、みつば、ぼりぼり(キノコ)、たけのこ(笹だけ)、ぜんまい、ワラビ、ふき、しいたけ、やまぶどう、赤しそ、はっか、こくわ、蛇苺、野苺、

 
 その辺に生えていたものもあるし、ちょっと山奥へ行くと生えてたものもありました。

 
 夏は、七輪ですみを興し、魚や御飯を炊いていました。

 
 あの頃もうプロパンガスは有ったけど、我が家は入れてなかったです。

 
 炭火焼きの魚に、新鮮な山菜。

 物置にはアンモナイトの化石(川に行って拾ってきたものでした)がごろごろしていて、水も空気も綺麗
でした。

 

 今の私の暮らしから思うと、なんと贅沢な暮らしだったんだろうと思います。

 アンモナイトの化石せめて1つでも手元に置いて置けなかったことが残念です。どこへ行ってしまったんでしょう。

 
 大夕張の川へ行けば今でもきっとあるでしょう。

(2002年3月8日 記)


思い出ばなし

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