濃いめの味 |斎藤敏幸

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 長谷川さんの『食憶』にもありましたが、我家の味付けも塩分の多いものでした。

 
 父は、採炭夫で先山をしていましたので、食卓は一家の大黒柱である父を中心に組立てら
れていました。

 
 何を食べるにも、たっぷりめの醤油と、極めつきは、『味の素』の山です。

 
 特にサケは「塩引き」といって、焼き上げても表面に塩が吹いている状態のものです。

 
 今から振り返ると、不健康な食生活を送っていたことになります。

 
 今は健康管理のため、薄味の食生活ですが、大夕張にいた頃は、採炭夫の家庭はどこも「濃
い」めの味だったのでしょうね。

 

(1999年8月3日 記)


随想

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