坑内での弁当|今井一郎
2021-09-17
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長谷川さんの『食憶(エピソード1)』を読んで思い出しました。
そうそう。みんな水筒には、お茶。特大のマヨネーズのチューブには、水を入れて凍らせていました。
入坑してすぐには凍っていて飲めないので、チビチビと休憩の度に解けた分を飲むと、節水(?)にも役立つとのこと。
私も真似をしようと思いながらも、中に残ったマヨネーズを洗い落とすのがめんどうそうで、その前に一人暮らしで特大のマヨネーズを最後まで消費するのに、気が遠くなりそうでやめました。
先日、シューパロ塾で、南部の客車周りの草刈りのあと、打合せのとき、アルマイトの弁当箱の話になって、私は少々熱く語ってしまいました。
今は売っていないけど、長谷川さんのお父さんの言われるように、坑内は暑くて、弁当は塩分を多くしたおかずばかり。アルミの弁当箱だったらすぐに酸化してしまいそう。
日の丸の梅干しの部分なんて特に。
ご飯とおかずで大きい弁当箱ふたつ。
我ながらあの時はよく食べた。
そうそう、忘れてならないネズミ。
坑内で見るネズミの大きいこと。
よくあんな真っ暗な中で感心させられました。
坑内ではネズミに弁当を取られないように、山水管やエアー管からバンセン(番線?)で吊るしました。
坑枠にも吊るしたことがありましたが、枠を伝ったネズミに、弁当箱をかじられまして、穴があきました。
あのネズミたちはいずこに行ったのでしょうか?
(1999年8月3日 記)