炭山駅から大夕張駅まで | 石原賢治

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 大夕張炭山駅は始発駅でしたが、何度かそこから乗車することがありました。

 改札口のすぐそばには、今まさに出発を待つ蒸気機関車が湯気といいますか、蒸気をちらつかせ出発の時間を待ちわびているようでした。

 あの、汽笛も子供にとっては大変大きな音で、いつボウ ボウといいますか、ポーポーという音を発するのか大変気になるところでありまして、出発の時間には客車の座席に座っていないと耳がいかれてしまうと思っていた
もんです。

 そして、あの熱そうな機関車に触ろうものなら大火傷をするのでは、などと思っていました。

 
 それだけ至近距離で機関車を観察できたのだと思います。

 
 炭山駅から大夕張駅までのわずかな時間と距離でしたが、母親が買い物に行くのに『特別遠回り』で乗せてくれたのではないかと思います。

 
 もちろん汽車に乗らず歩いたほうが近くて早かったと思います。

 
 炭山駅から乗る人は少なかったし、大夕張駅からの乗車が多かったでしょうから、上り線(清水沢行き)で大夕張駅で降りる人はほとんどいなかったでしょうね。

 
 ずーっと鉄道のことを考えていたらこんなことを思い出しました。

 

(2000年9月20日 記)


思い出ばなし

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