2000年 栄町からの夕張岳
2000年7月27日の印字。
住民が完全に立ち退きシューパロダム工事が始まろうとしていた頃の大夕張。
自由に大夕張の中に立ち入りできた残された、そのわずかな時間。
もうずっと前の訪問だが、その時の記憶によれば・・・・
上の写真は、栄町3丁目のかつて浴場のあったあたりから代々木町の方に向かって夕張岳方向を撮影。
下の写真は、栄町の中通り(たぶん2丁目と3丁目の間の通り)を緑町方向に向かって写した写真。
栄町のあたりは夏草の茂る広い空き地になっていた。
大夕張は南北に長く、東西に短い。
とはいえ、東西に短いといっても、高低差は大きく、場所によって夕張岳の見え方が違っていた。
山に近いため夕張岳を眼前に見上げる微妙な角度がそうさせるのだろう。
住宅地が密集していた栄町では、炭住の屋根や庇に阻まれ、こんなにはっきりと夕張岳が見えなかったかもしれない。
『昭和61年(1986年) 大夕張の面影』の中で、大夕張の駅前通りを春日町に向かって進んで行くシーンがある。
そこでは、場所による夕張岳の見え方の変化の様子が、よくわかる。
駅前を郵便局で曲がり春日町に向かうと、正面に見えていた前岳と夕張岳は、次第に手前の山に隠れて行く。
代々木アパートを過ぎてカメラは山を捉えるが、それまで正面に見えていた前岳と夕張岳が、ここではまったく見えない。
坂を下りると春日町。当然、遠くの夕張岳は見えなかった。
しかし春日町は、シューパロ川の流れのそば、周囲を森林の木々と崖がせまり、山に囲まれた圧迫感と、山の懐に抱かれたような安心感、そんな空気を感じる場所の一つだった。
春日町に住んでいた人が、春日町の坂を上がって代々木町や弥生町にでると開放感を感じたという話を聞いたことがある。
そんな気持ちがわかるような気がする。
動画開始後、18分00秒から一分間ほど大夕張駅前通りを駅前から春日町手前の坂の上まで進む場面が見られます。
栄町2丁目・3丁目のあたり 同じような視点で浴場付近