2丁目3番地 雪煙(ゆきけむり) 子どもの頃、家に幻燈機があった。 白い布を板壁に張り、そこに映し出される父がとった家族の写真をスライドで見るのが楽しみだった。 「げんとうしよう!」 いつもそんな言葉でおねだりした。 当時リバーサルフィルムは高価なものだったろう、そんなに枚数が多かったわけではない。 それ… 続きを読む