楽しかった日々 夏の子どもプール 昭和39年夏。 健保会館そばには、花壇で彩られた広い前庭。そして大小二つのプールがあった。 「大人用プール」と「子ども用プール」。 富士見町線路側には、大人用があり、こちらの栄町ブロック側には、子供用があった。 深さも、せいぜいちいさな子どもの腰あたりまでしかない、浅いプールだった。 … 続きを読む
夕輝文敏 バス停 |夕輝文敏 そこには、寝息を立てて横たわっている七二歳の父がいた。 ここが病院のベッドでなければ、まるで安らかに睡眠をとっているかのようであった。 屈強な体で、かつて石炭を掘り続けていた父が、今は病院のベッドの上で生死の境を彷徨っていた。 今朝方、父はスキー場の倉庫で意識不明の状態で発見された。… 続きを読む