第1編沿革 第5章 鉄道課独立
第5章 鉄道課独立
1、 鉄道課独立
当鉄道の業務形態は地方鉄道として発展後も、運炭課、工作課及び経理課等に於て夫々分担執務せしが、地方鉄道の運営上欠陥ありとして監督官庁より示唆もあり、社内的にも鉄道課設置の気運が騰まり、たまたま終戦という障害発生せしも 昭和20年9月1日付をもって 鉄道課設置、宇賀村進氏を初代課長として運輸、運転及び保線を一体とし資材課倉庫の一隅を仮事務所として業務を遂行することゝせり。
2、 大夕張鉄道交通従業員労働組合
昭和20年11月、大夕張炭砿労働組合発足せるも、12月20日に至り鉄道関係従業員により大夕張鉄道交通従業員労働組合設立(初代組合長、吉崎秀太郎)私鉄総連に加盟せしが、後炭労合併の気運強く、 昭和23年5月23日大夕張炭鉱労働組合に合併せり。
3、 雪害事故
昭和21年3月14日、融雪期にもかゝわらず夕刻より 重量ある湿雪が降りはじめ、15日に至るも止まず、蒸気機関車3両をもって運転するラッセル車も及ばず 線路両側は数米に達する積雪となり、採炭を中止し全従業員はもとより 一般住民の協力をも得て 昼夜兼行の除雪を行い、18日夕刻の止みし頃 漸く全線の開通を見た。この間日数4日に及べり。
4、 大貨物営業粁程
戦後のインフレにより物価高騰し 当鉄道の営業収支も均衡を失い 旅客及び貨物運賃の値上げを行うも及ばず、健全経営の目的をもって 運輸省に大貨物営業粁程設定を申請認可を受け、 昭和21年7月1日より10割増粁(35粁)を実施せり。
昭和23年9月1日より 取引高税実施に伴い 貨物営業粁程11割増(36粁)となるも、 昭和25年1月1日貨物運賃の値上げと共に 取引高税廃止により実粁となり、 昭和27年に至り再度申請、3月1日より認可を受け10割増となり現在に至る。
5、 客車形式 ハ1
昭和21年8月、戦時中廃止せし渡島海岸鉄道より、ハ1を購入、戦後増加せる旅客に対処せり。
ハ1
形式ハ1 | 半鋼鉄製2軸客車 |
製造所 | 岩崎レール商会 |
製造年 | 昭和2年2月 |
自重 | 11.37t |
定員 | 64人 |
最大寸法 | 長サ 9.156mm |
高サ 3.640mm | |
巾 2.648mm |
6、 北炭遠幌砿
北海道炭砿汽船株式会社夕張砿業所より、遠幌砿開坑に関し、石炭搬出の目的をもって 当鉄道遠幌駅構内に 専用側線並に積込ポケット等設置の申出あり、昭和21年7月16日駅構内拡張工事協定締結、昭和23年1月に至り索道、積込ポケット 及び 専用側線を設置して 送炭を開始。
昭和29年11月清水沢口通洞坑完成により 遠幌からの積出を終了する迄7ヶ年に亘り164.00屯を輸送、昭和30年12月29日積込ポケットを撤去せり。
もどって 昭和23年6月18日、駅本屋40坪、附属建物6坪 及び 住宅6戸の引渡しを受け当所の所有とせり。