冬の裏山
2024-01-20
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富士見町の住宅地から八百五十への尾根へと続く山。
昭和35年頃、富士見町6丁目の礦業所の前の坂の登るとてっぺんの家、坂の一番上の住宅に引っ越すことになった。
当時薬局にいた大橋秀雄先生が引っ越すことになり、その後に入ったのだった。
二軒一戸建ての住宅の、隣に田中さんが入っていて、その家には同じ年頃の兄弟二人がいた。
我が家の兄弟二人と四人で、仲よく遊ばせてもらった。
山側が玄関で、目の前には石炭ストールから出る灰捨て場があった。その崖の下は小さな沢が流れ、沢をこえるとすぐに山にいけた。
四人の子どもたちの遊び場は、夏冬問わず山だった。
山の斜面をすこし登ると、東の方に前岳から夕張岳にかけての姿がよく見えた。
だが、反対側のこの山をずっと登っていくことはなかった。山の中に入っていけないと漠然と思っていた。
だから、この山を登ってそこに頂上があり、そこからどんな光景が広がっているのか、見たことも考えたこともなかった。
木々が繁茂するある程度の高さまでは、畑になって開けていた。
笹や木の切り株、朽ちた木が広がる土地の上に雪が降り積もる光景に、大夕張らしさを見出すことができるだろうか。