氷倉庫と学習塾 | 久々湊 真一

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 泉町のみなと印刷から見おろした位置に、「氷倉庫」がありました。私が小・中学生の時代は、まだ冷蔵庫が普及していませんでした。

 「氷を、冬の間に採取・保存して夏に売り出す」商売も成立していました。

 小学生の時に、懇願して倉庫内に入れてもらったことがあります。

 おが屑に埋まった大きな氷群とひんやりした部屋の感触が思い出されます。しかし、冷蔵庫が普及し始めたころに、氷倉庫は商売を止めたようです。

 

 この跡に出来たのが、たぶん大夕張で始めての学習塾でした。

 運営していたのは、斎藤さんという私より数才年上の人で、すぐに親しくなりました。

 私は当時大学生で、学習塾の臨時講師もやったような気がします。又、塾に置いてあった卓球台で
遊んだり、夜更けまで語り合ったりもしました。

 平成2年に大夕張を訪れた際、町並を俯瞰するため、神社に登りました。

 鹿島小のグランドから坂を登っている途中で、人の気配に気がつきました。

 人影を追って浄水場に入り、呆然!!!

 なんと、斎藤さんがいたのです。

 たった一人で大夕張の水道管理を行っているとの事。思いがけぬ再会に目頭が熱くなりました。

「大夕張の終焉は、私が見守ります」との斎藤さんの言葉が、今も、心に響いています。

 

(2001年5月18日 記)


随想

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