続・大夕張つれづれ

『大夕張つれづれ』の続編。2020年9月からの連載です。

キャプション『 これは真実である 』と麻薬|高橋正朝 #29 続・大夕張つれづれ

キャプション『 これは真実である 』と麻薬|高橋正朝 #29

 前回、続・大夕張つれづれ # 28 で、北極での原子爆弾の実験で、怪獣が出現したアメリカ映画の冒頭で、『これは真実である』というキャプションがあり、これなどは、ワッハッハで笑い飛ばせる、しかし、ワッハッハで笑い飛ばせないケースもある、と書いた。       約20年前、タイ政府が激怒した、アメリカ…
雪崩れに閉じ込められた少女 | 高橋正朝 #28 続・大夕張つれづれ

雪崩れに閉じ込められた少女 | 高橋正朝 #28

 これは、テレビ番組で、三菱電機1社の提供によるディズニーの記録映画だった。  正確に言うと、当時、この番組の時間帯は、本来なら、プロレスの実況放送だった。プロレスの実況中継がないときは、代替として、主に、ディズニーの番組を放送していた。ディズニーの作品とはいっても、マンガ映画を放送することはほとん…
雪崩れ|高橋正朝 #27 続・大夕張つれづれ

雪崩れ|高橋正朝 #27

 2月から3月にかけて、明石町番外地の我が家の窓から、山に雪煙が舞い上がるのを見ることがあった。  そう、雪崩れです。  そういうときは雪は降っておらず、空には、雲はそれほど広がってはいなかった。どちらかというと、雲の広がりよりも、青空のほうがまさっていた。  だからこそ、雪煙がたやすく見えたのだろ…
氷の下面の曲線模様 | 高橋正朝 #26 続・大夕張つれづれ

氷の下面の曲線模様 | 高橋正朝 #26

 我々団塊の世代の少年時代、晩秋のころ、すなわち、10月になると、日中、道路に溜まっていた水が夜の間に氷になり、朝、その氷をバリバリと音をたてて踏みつけながら、鹿島東小学校に登校した。    氷ができる、とはいっても、午後には融けてしまい、翌朝になったら、また氷ができている ••••••。    そ…
むろ( 室 )|高橋正朝 #25 続・大夕張つれづれ

むろ( 室 )|高橋正朝 #25

 我々の年代が、大夕張に住んでいた少年時代は、厳寒期になると野菜が不足した。  ちょうど、今ごろの時期てすネ。 しかし、栄養失調の話は聞いたことはなかった。  実際は、栄養失調に陥った人はいたかもしれないが、子どもだったがため、単に、社会のできごとを知らずに過ごしたのかもしれないが ••••••。 …
木の摩擦熱で火を熾す試み | 高橋正朝 #24 続・大夕張つれづれ

木の摩擦熱で火を熾す試み | 高橋正朝 #24

 前回#23で、鹿島東小学校時代、レンズの焦点で、紙に火をつける試みを書き込んだら、それに対する飯田さんのコメントだと、やはり大夕張の少年時代、同じことをやっていたんですね。      この、虫眼鏡のレンズの焦点で紙に火をつける試みは、他の少年たちもやっていました。 しかし、どういうわ けか、近所や…
雪の結晶と雪印のロゴマーク |高橋正朝 #23 続・大夕張つれづれ

雪の結晶と雪印のロゴマーク |高橋正朝 #23

 大夕張で生まれ育った人だけでなく、北海道生まれの人にとっては、雪印乳業のロゴマークには懐かしさを感じると思う。 北海道生まれの大企業だから、ということよりも、雪の結晶に懐かしさを感じるのだ。      北海道生まれの企業ではあるが、本社は東京四谷にあり、東京在住者は知っていることだが、夜間、中央線…
吹雪のなかでの登校下校 |高橋正朝 #22  続・大夕張つれづれ

吹雪のなかでの登校下校 |高橋正朝 #22 

 私が、鹿島東小学校の低学年だったころの大夕張の冬は、ずいぶんと寒かった。     私の年代の人は、皆、経験していたことで、『 ふるさと大夕張 』に書き込んだことの繰り返しになるが、頬骨に染み込むような寒さのときは、薄眼にし、眼を普通に開けようとすると、瞬間的にくっついていたまつ毛がパチッ、という感…
村山貢 先生の色彩の授業 |高橋正朝 #21 続・大夕張つれづれ

村山貢 先生の色彩の授業 |高橋正朝 #21

     前回、「 電光オズマ 」の稿で、コラージュのことに触れ、村山貢 先生のお名前を出しました。 それで、村山 先生の授業のことを書き始めたら、表題とは無関係な内容の文章が長くなってきたので、その部分は打ち切り、次回、即ち、ここで書くことにしました。      村山貢 先生を初めて見たのは、鹿島…
松本あきら(零士)の『電光オズマ』|高橋正朝 #20 続・大夕張つれづれ

松本あきら(零士)の『電光オズマ』|高橋正朝 #20

 松本あきら が若いころ描いたマンガの主人公の少年少女は、眼に特徴があった。  少女マンガの主人公は可愛く描かれ、眼が大きく描かれて、内容もポエムっぽかった。  少年マンガは、SF ものや、戦争ものがわりと多かった。      鹿島中学校2年生のときに、明石町に住んでいた誰かから、少年マンガ雑誌『 …
「ヒマラヤ天兵」と「めくらのお市物語」 |高橋正朝 #19 続・大夕張つれづれ

「ヒマラヤ天兵」と「めくらのお市物語」 |高橋正朝 #19

 鹿島東小学校5年生のとき、「 おもしろブック 」に「 ヒマラヤ天兵 」というマンガが連載されていた。  作者は「 棚下照生 」。  タナカ•テルオ と読ませる漢字の名前としては大変珍しい。 テレビドラマにもなったらしいが、大夕張で視聴できた番組だったかどうかは知らない。     このマンガが連載中…
サイレン |高橋正朝 #18 続・大夕張つれづれ

サイレン |高橋正朝 #18

 私が物心ついた時分から、明石町では、定刻を知らせるサイレンが鳴っていた。もしかすると、戦前からそうだったかもしれない。  かなり大きな音だった。明石町の全域に知らせるためだったから、それなりの音量が必要なのは、子ども心にも理解できた。  鹿島東小学校に通うようになって、幼児のときより活動範囲が少し…
CMソング 楠トシエ  | 高橋正朝 #17 続・大夕張つれづれ

CMソング 楠トシエ | 高橋正朝 #17

 続•大夕張つれづれ#14で、『 三つの歌 』の述懐から、天地総子の『 パンシロン 』の CM ソングに言及しましたが、じつは、この『 パンシロン 』の CM ソングを初めて聴いたとき、てっきり、楠トシエ が歌っているものと思っていました。  当時、CM ソングの歌手と言えば、楠トシエ が圧倒的に有…
大連でのテレビで見た白金の 森本 さん|高橋正朝 #16 続・大夕張つれづれ

大連でのテレビで見た白金の 森本 さん|高橋正朝 #16

 私が、中国の大連にいた当時、3年間はホテルに住んでいた。  外交官や特例を除き、当時の中国では、たとえ、『 労働許可証 』を所持していたとしても、国籍を問わず、外国人の宿泊は、当局が認めたホテルでなければいけない時代だった。  我々が宿泊していたそのホテルは大型で、NHK 衛星放送を時々見ることが…