大夕張つれづれ■漫画と時代劇■|高橋正朝 #45

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 タイは台湾と並んで親日国家である。バンコクにはラーメン屋や日本食居酒屋も多く、過当競争といってよい。

 先日、ビデオ店の中古 DVD コーナーに行ったら、日本のアニメがズラーっと並んでいた。ディズニーのアニメと並んで日本のアニメも大人気である。

 日本映画の DVD もあり、目についたゴジラ映画の DVD 9本と、黒沢明監督の映画、用心棒と椿三十郎の DVD もあったので買った。

 アパートに帰ってからよく見ると、ゴジラ映画の9本のうち2本は同じものを買っていた。パッケージデザインが少し違うので、別な映画だと思ってしまったのだ。

 こういうことは、古本屋でも同じことがある。数冊買った本はすぐに読むわけでもないので、数か月後にまた同じものを買ってしまうのだ。

 本は買ってもすぐには読まず、したがって内容には記憶がないから、時日が経ってから別な古本屋で本を手に取って面白そうだと思うと、またもや同じものを買ってしまうのだ。

 ビデオの場合は、その場でパッケージをよく見て比較すればわかりそうなものだが、そうはせず、トロイものだからつい買ってしまう。

 こういうドジはよくやる。言い訳をすれば、パッケージにはタイ語しか書かれていないから・・・・・・ ということだが、単にマヌケということだ。

 DVD だから、オーディオ変換に日本語が含まれているかどうかはしっかりチェックしている。

 中古品を買ったので価格は大変安いので、別に悔し~っという感情は、この年では湧き上がらない。アホだな、と思うだけである。

 用心棒と椿三十郎はすぐに見た。過去、テープも含めて黒沢明の映画のビデオを買ったことがなかったので、50年ぶりに見たことになる。

 用心棒で、仲代達也が首にスカーフを巻いてピストルを持っている姿は覚えていた。画面を見ているうちに、記憶が惹起されきたシーンもあったが、まったく覚えていなかったシーンもあった。

 河津清三郎と、山田五十鈴の女郎屋の夫婦に、枯れた桑畑を見ながら三船敏郎が答えて、「 桑畑三十郎、もうそろそろ四十郎だがな・・・・・・ 」という場面は全く記憶になかった。

 椿三十郎では、入江たか子と団令子の親娘に答えて、椿を見ながら三船敏郎が「 椿三十郎、もうそろそろ四十郎ですが・・・・・・ 」という場面とセリフはなぜか記憶していたのだが、用心棒での同じようなセリフは全く記憶になかった。

 私の年代が小学校から中学校のころは、手塚治虫タイプのマンガの全盛時代で、劇画がでてきたにせよ、それまでの劇画はまだマンガの絵の影響があった。

 それが、黒沢映画の影響が強く出て、椿三十郎の三船敏郎と仲代達也の最後の場面の切りあいなどのようなシーンが、劇画の画面にもよりリアルに出てくるようになった。

 私が最初に劇画をみたのは、大夕張駅のすぐ横に貸本屋があり、そこの貸本で見たのが最初である。あの貸本屋はいつまであったのだろうか ?

 私が鹿島中学校3年生のときには、すでになくなっていたような気がするが・・・・・・


高橋 正朝 ( たかはし まさとも ) 2015/04/29 _ 12:05:47

昭和23年11月に明石町生まれ。鹿島東小学校から鹿島中学校に進み、夕張工業高校の1年の3学期に札幌に一家で転住。


大夕張つれづれ

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