『三菱君』とご近所さん|斎藤 敏幸

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 以前、TVの「琴姫様」も話題にあがっていましたが,僕もTVにまつわる思い出があります。

 まだ、栄町にブロック住宅が建つ前の話なのですが、普段は倹約家の父が何を思ったのか、三菱
マークのTVを長屋で一番最初に買ったのです。

  

 さあそれからが大変。

 朝となく夜となく、ご近所さんが、我家にやってくるのです。

 当時はまだ就学前で、記憶は定かではないのですが、「相撲」「プロレス」の時間になると、狭い住宅は大人たちであふれていました。

 

 また、ゴールデンタイムになると連続ドラマを見るために、主婦たちがやって来ました。

 確信はありませんが、「君の名は」だったような気もします。

 スイッチを切っているときは、大切に布をかぶされて静かにしていましたが、一旦電源が入ると、我家の「三菱君」は、それは長屋中の人気者でした。

 

 でも、ブロック住宅ができた頃には、ご近所さんの家にもそれぞれTVが入ってしまったため、我家の「三菱君」の人気は、長続きしませんでした。

 

 昔のTVの話が出ると、「三菱君」と「ご近所さん」のことを思い出します。

 

 ちなみに、白黒TVは早く買ったのに、カラーTVは一番遅く閉山後にやっと買いました。そして、カラーTVもやはり「三菱君」でした。

(2001年3月23日 記)


思い出ばなし

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